■富士山 プリンスルート 2022年08月29日から8月31日


 そんなワケで8月の締めくくりに富士山に登ってきました!
 小学生のころに何合目かまでは学校の行事で登った覚えはあるんですが、
 頂上を目指すのはこれが初挑戦となります。
 まあ、それなりにいくつも山を登ってきたので大丈夫でしょうということで。

  

 まず新宿からロマンスカーで御殿場へ向かいます。
 富士山にはいろんな登山ルートとアクセス方法があるんですが、
 今回は御殿場ルートと富士宮ルートの合せ技になる、プリンスルートで行く予定。
 なんで目指すは、富士宮5合目の登山口なんですが。

 実は駅から富士宮口までの直通バスが出てるのが8/28までで、
 ちょうど8/29からアクセスする方法がぐっと減ってしまうというタイミングの悪さ。
 一応、水ヶ塚公園からであれば、マイカー規制のための直通バスは出ているので、
 御殿場駅から、御殿場5合目口まで登り、そこで降りずに通り過ぎて、水ヶ塚公園までいって、
 今度はそこから、富士宮5合目行きのバスに乗り換えるというアホみたいな行程を経て、登山口を目指すことに。

  

 御殿場駅でバスに乗る前にコロナ対策の検温があって、検温後はリストバンドをつける感じ。
 これは下山するまでつけっぱなしにしておくようにと念押しされます。

 御殿場駅から1時間ほどで水ヶ塚公園へ。
 前述の通り、一度、御殿場口新五合目の登山口を通過するので、
 それなら、もう御殿場口新五合目から登ればいいじゃんって思わなくもないんですが、
 まあこれは下山するときに御殿場口へ行くときに実感しましたけど、
 御殿場口新五合目から登らなくて本当に良かったと思わされたくらいヤバイです。長くてしんどい。

  

 さて、水ヶ塚公園から富士宮5合目行きの大型バスへ乗り換え。
 かなり大きなバスなんですが、こんな時期にもかかわらずあっさり満席に。
 中にはスカート姿の女性や、ジーパンポロシャツの外国人なんかもいて、
 マジかよと思いましたが、最近は5合目観光なんてのもあるそうで、
 頂上を目指さないならまあ、ありなのかなと…

  

 30分ほどで富士宮5合目に到着しますが、実際この地点でもかなりの高度感。
 周辺を散策するだけのハイキングコースも一応あります。
 ただ、吉田口ほど設備整ってないので、そこは注意がいるかな。
 売店なんかもいまは取り壊されて仮設のプレハブになってるしね。

  

 登山口の前のゲートでリストバンドのチェックと、
 富士山保全協力金として1000円を払っていざ登山開始。
 登山口がもう2400Mってのもまあさすが富士山って感じです。

  

 この日は台風は迫ってるものの予報では悪くない天気のはずだったんですが、
 曇り模様で強い風のおかげでときどき晴れ間が見えるって感じ。
 足場はしっかりしてるし前日の雨のおかげでホコリもたたずラクに進める感じ。

  

 歩き出して30分も掛からずに6合目の雲海荘に到着。
 ここで、高度順応のためにいきなり大休止して、早めのお昼ごはんにすることに。
 ちなみに店の前のベンチで大勢でたむろしてたのは、ツアーの団体さんでバス待ち。
 うーん、ツアーの登山には参加したことないけど、全部お任せで済むのはラクかもしれんけど群れるの苦手だし俺には向かないか。

  

 コーンラーメンでお腹を満たした後、ここから先にしばらくトイレはないのでトイレを済ましておくなど。
 ドア横にコイン入れるとオートロックが開くとか無駄にハイテク。

 雲海荘からは、富士宮ルートと宝永山へ向かう方向で分岐していく感じ。
 プリンスルートは宝永山は向かう道を進みます。

  

  この辺りはまだ植物も豊富で野生のコケモモなんかも見られます。
 徐福ちゃんが不老長寿の妙薬としてとりにきたアレです。
 というかコケモモのアイスなんかが食べられるとこもあったらしいんですが、すっかり忘れてた…

  

 10分ほどですぐ宝永山の火口フチの分岐に。
 火口ってなってるんですが、近づきすぎるとどこが火口なのかよくわからないすり鉢状のくぼみにいる感じ。
 いったん下ってから、一番の難所を言われる、宝永大一火口の登りへ。

  

 火口の底から上のフチまで登っていくんですが足元が崩れやすい砂地でふんばりが効き難い道。
 ただ、言われてたほどでもないので、ゆっくりしっかり踏みしてていけば特に問題ないです。
 コースタイムだと1時間かかることになっていますが30分ほどで登りきって馬の背に。

  

 馬の背から宝永山の頂上を踏んでから7合目を目指す感じなんですが、
 稜線に出たとたんに遮るものがなくなって横殴りの雨と強風が襲ってきてとんでもないことに。
 というか急に気温も下がって雪がまじってる風雨と霧で先が見えない状態に。

  

 ちょっと下ったり稜線にの陰に入ればやわらぐんですがとにかく風が強い。
 まあ、幸い標識やガイドロープがしっかりあるので迷うことはないのですが。

  

 ゆっくり進んでるつもりがあっという間に3000m地点を通過。
 砂走館でトイレ休憩してさくさく先に進む。
 というかもっとゆっくり休憩入れながら進むつもりだったんですが、
 雨と風のせいで景色を眺めながらゆっくり、というわけにもいかず、ひたすら上を目指して進むしかなくてですね。

  

 赤岩8号館の標識が見えてもう少しでゴールかと思ったら、
 ここからがじくざくに進んで少しづつ高度を上げる感じでなかなか着かないというね…霧で先がよく見えないのもいかんかった。

  

 ようやく今日の宿泊地の赤岩8号館に到着。
 あたりはモヤでなにも見えない状態。気温もかなり下がってきました。
 コースタイムからは30分ほど早く着いたんですが外にいても何も見えないのでさくっとチェックインして中で休むことに。

  

 赤岩8号館はプリンスルートの途上にある山小屋で、
 現在の天皇陛下が、皇太子の時に登ったのでプリンスルートと、
 そのとき泊まったのがこの赤岩8号館、写真も飾ってありました。
 広間1つに寝るスペースがあるだけの簡素な小屋なんですが、富士山の山小屋の中では、
 皇太子止まらせるくらいには、かなりマシな部類に入るそうで。どんだけだよ富士山。

  

 夕飯のカレーが評判なんですが、あれだ。立ち食いそば屋で食べる業務用カレー粉の味がするカレー。
 いや俺の大好きな感じなヤツなんで2杯食ってしまいましたが。
 外は完全な雨を風がうなりを上げている状態で、これはご来光は無理かなという感じで、
 布団にくるまって電子書籍を消化するしかやることない状態。
 なにがしんどいってトイレが外にあるので(たぶん富士山の山小屋はどこもそう)いちいち外に出ないと、
 用を足せないという…この横殴りというか下手すれば下からくる雨の中外に出るのがもうね。
 そんなわけでできるだけ水分とらないようにして夜が明けるのを待ちましたとも。

  

 朝4時起床で外に出てみると、なんと!晴れているじゃありませんか!
 しかもすんげえ雲海。厚い雲が風に流されて刻一刻と表情を変える素晴らしい景色。

  
 動画だといまいちわかりづらいんですが、分厚い雲がゆっくり形を変えていく様子が、
 自然の雄大さを感じさせてくれて実良かったです。雲海も何回か見てきたけど、最高の雲海だったかも。

  

 ご来光もしっかり見れました。
 なんか山小屋の人もテンション上がるくらいには、アタリの日だったようで。

  

 ところが朝ごはんをしっかり食べて出発する頃にはまた雲の中に。
 レインウェアを着込んでの出発。

  

 ここから頂上までは1時間半の道のり。
 距離的にはすぐそこなんですが、つづら折りになった道をじくざくに徐々に上がっていくので時間はしっかりかかります。

  

 流石に標高が3300mを超えてくると少し動くだけで息が切れるので、ゆっくり着時に歩みを進める感じに。
 鳥居が見えてくれば、ゴールは間近。

  

 登り切ると富士山の火口が目の前に現れるんですが、
 思ったよりも埋まってるんですな火口。三原山の方が火口は迫力あったかな…?

  

 頂上付近は雲を吹き飛ばしてしまうような強い風が吹いてまして、
 景色は綺麗なんですが、あまり落ち着ける状態ではないので、剣ヶ峰を踏んだらお鉢周りは断念してすぐ下山することに。

  

 下山するときになって下を見下ろすようになると、さすが最強の独立峰、
 海まで一気に見渡せるこの高度感ははんぱないです。
 ほかの標高の高い山は周りも高い山に囲まれてて高度感はそんなでもないんですよな。
 やっぱり富士山は独特のものがありますな。

  

 さて来た道を引き返すんですが赤岩8号館を通り過ぎて宝永山のあたりまできたら、
 ここからは大砂走りへ入る道を進むことに。
 昨日はガスでなんにも見えませんでしたが、上から見ると宝永山がどんな山なのかしっかり見えます。

  

 大砂走りは名前の通り、砂地を一気に駆け抜けることができる道なんですが、
 これがなかなかにクセモノでして…
 深い砂がクッションになって、ショックを和らげてくれるので大股で駆け下りるように一気に進むのが作法。
 ただ、大きめの石や砂地が薄くなってる箇所もあるので、深い砂のつもりの勢いで足下ろすと、ガクっとなって結構足にダメージがきますなこれ。

  

 大砂走りの後、下りのブルドーザー道を御殿場5合目に至るまで、
 えんえん荒涼としな砂地をひたすらまっすぐ進むことに…これと登る絶対しんどい。御殿場口から登る人はマゾなんじゃないだろうか。

 また、この道は緩い下りなんで下りならラクできそうに思えたんですが、
 大砂走りで酷使された足に、このえんえん続く下りがスリップダメージみたいに足腰に鞭を打つ!
 緩い下りに見えて、振り返るとわかるんですけど、実は結構な傾斜なんですよな…止まろうとすると体が流されるくらいの。
 なんで、足に行くダメージを抑えるためにスピード落とそうとすると今度はふんばるためにフトモモや腰に負担が。
 
  

 ブル道の終点まで30分ほどですがこの30分がキツかった。
 終点にある大石茶屋までくると御殿場5合目はすぐそこ。
 ちょっと一息入れてから御殿場5合目へ。ここからバスで下山できればベストなんですが、
 御殿場5合目からのバスは本数が少ないので次のバスまで2時間以上ある状態。
 天気が良ければどこかで時間を潰すのですが、雨模様なのでタクシーを呼んでさっさと今日の宿へ。

  

 泊まったのはホテル時之栖。
 御殿場の高原リゾートで施設内に複数のホテルとサッカー場なんかがあるレジャー施設。
 本館はお高いんですが、ビジネス向けのホテルは一人でもお安く泊まれるありがたい施設。
 温泉もホテル内にある無料の温泉の他に、宿泊者は割引で入れる2つの温泉施設があるのでなかなか楽しめます。

  

 で、1日目と2日目でそれぞれの有料温泉にいくつもりだったんですが、
 2つ目の温泉の目当てだった温泉のサウナや展望風呂が12時からの営業とわかりまして。
 天気も悪いのでチェックアウトして直帰することに…というか駅についたら急に天気よくなるし!
 これならもう一泊して温泉楽しんでくるんだった…いやまあ次の日仕事なんですけど!

 初の富士山でしたが、登りは結構ラクだったんですが下りがしんどい。
 もし次があれば、次は1合目から登ってみたいんですが…そうなると山小屋2泊、
 富士山の山小屋で2泊はなあ…天気に恵まれれば許容できるかなあ。うーん。









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